乙:今日の問題は、
行為者が,事物の是非善悪を弁識する能力が減退した状態で罪を犯した場合であっても,心神耗弱者と認められるとは限らない。
甲先生、よろしくお願いします!
こ、甲先生!?
甲:
乙:刑法39条は
「心神喪失者の行為は、罰しない。
2 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。」
と、規定しています。
大判昭和6年12月3日は
「心神喪失ト心神耗弱トハ孰レモ精神障礙ノ態樣ニ屬スルモノナリト雖其ノ程度ヲ異ニスルモノニシテ即チ前者ハ精神ノ障礙ニ因リ事物ノ理非善惡ヲ辨識スルノ能力ナク又ハ此ノ辨識ニ從テ行動スル能力ナキ状態ヲ指稱シ後者ハ精神ノ障礙未タ上敍ノ能力ヲ缺如スル程度ニ達セサルモ其ノ能力著シク減退セル状態ヲ指稱スルモノナリトス」
と、判示しています。
したがって、上記記述は、正しいです。