刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

刑事裁判の歴史と展望あれこれを広めます https://mementomo.hatenablog.com/entry/39862573

しほうちゃれんじ 643

乙:甲先生と、プラモデルを組み立てたかったです。

今日の問題は

不法行為の被害者が不法行為の時から20年を経過する前6か月内において,当該不法行為を原因とする精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にあるのに法定代理人を有しなかった場合には,その後,後見開始の審判を受け,成年後見人が選任された時から,民法第724条後段の期間が新たに進行する。

甲先生、よろしくお願いします!


こ、甲先生!?

甲:ぼーだーぶれいくはでかい。。

乙:民法158条は

「時効の期間の満了前六箇月以内の間に未成年者又は成年被後見人に法定代理人がないときは、その未成年者若しくは成年被後見人が行為能力者となった時又は法定代理人が就職した時から六箇月を経過するまでの間は、その未成年者又は成年被後見人に対して、時効は、完成しない。
2 未成年者又は成年被後見人がその財産を管理する父、母又は後見人に対して権利を有するときは、その未成年者若しくは成年被後見人が行為能力者となった時又は後任の法定代理人が就職した時から六箇月を経過するまでの間は、その権利について、時効は、完成しない。」

同法724条は

「不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。」

と、規定しています。


最判平成10年6月12日は

「不法行為の被害者が不法行為の時から二〇年を経過する前六箇月内において右不法行為を原因として心神喪失の常況にあるのに法定代理人を有しなかった場合において、その後当該被害者が禁治産宣告を受け、後見人に就職した者がその時から六箇月内に右損害賠償請求権を行使したなど特段の事情があるときは、民法一五八条の法意に照らし、同法七二四条後段の効果は生じない」

と、判示しています。


したがって、上記記述は、誤りです。