刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

刑事裁判の歴史と展望あれこれを広めます https://mementomo.hatenablog.com/entry/39862573

しほうちゃれんじ 642

乙:今日の問題は

不法行為による損害賠償債務の不履行に基づく遅延損害金債権は,遅延損害金債権が発生した時から10年間行使しないことにより,時効消滅する。

甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?


甲:とくくえさいこー!

乙:民法724条は

「不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。」

と、規定しています。


大連判昭和11年7月15日は

「基本タル債権カ短期時効ニ因リテ消滅スルニ拘ラス其ノ不履行ニ基ク遅延利息ノ債権ノミカ十年ノ時効ニ罹ル迄残存スト云フカ如キハ法律カ或種ノ債権ニ付特ニ短期時効ノ規定ヲ設ケテ速ニ当事者ノ権利関係ヲ確定セントシタル趣旨ニ合セス加之遅延利息ノ債権ハ本来基本債権ノ拡張トモ云フヘキモノナルカ故ニ此ノ性質ヨリ見ルモ其ノ消滅時効ノ如キハ総テ基本債権ノ時効ニ関スル規定ニ従フモノト解スルヲ相当トスサレハ不法行為ニ基ク損害賠償債権ノ不履行ヲ原因トスル本訴債権カ民法第七百二十四条ノ適用ヲ受クヘキモノト為シタル原判旨ハ相当ニシテ之ニ反スル論旨ノ見解ハ採用シ難ク論旨ト同趣旨ノ所論判例ハ之ヲ変更スヘキモノトス尤本訴ハ大正十四年四月九日ヨリ昭和三年十二月一日ニ至ル迄ノ遅延利息ノ支払ヲ求ムルモノナルカ故ニ原審カ同五年末日ニ於テ本訴債権カ全部時効ニヨリテ消滅シタル旨判示シタルハ不当ナレトモ昭和六年十二月一日迄ニ何等カ時効中断ノ事由アリタルコトハ原審ニ於テ上告人ノ主張セサル処ナルヲ以テ遅クトモ同日ノ経過ニヨリテ本訴債権ハ全部時効ニヨリ消滅シタルモノト云フヘク原判決ハ結局正当ニシテ論旨ハ理由ナキニ帰ス」

と、判示しています。


したがって、上記記述は、誤りです。