刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 1862

乙:今日の問題は、新司法試験平成18年民事系第18問1と4です。

AがBに土地を賃貸し,Bが同土地上に建物を建築して所有する場合において,AがCに同土地
を譲渡したときの法律関係に関する(中略)
1. Bは,建物の所有権の登記をしているが土地の賃貸借の登記はしていなかった。この場合,
Cが所有権移転登記を経ていないときは,Bは,Cに対し賃料支払を拒むことができる。
4. Bは,土地の賃貸借の登記と建物の所有権の登記のいずれもしていなかったが,建物の登記
記録に表題部所有者として登記されていた。この場合,CのBに対する建物収去土地明渡請求
は認められる。

甲先生、よろしくお願いします!
こ、甲先生!?


甲:When they smash my heart into smithereens
Be a bright red rose come bursting through concrete

出典:https://genius.com/Coldplay-charlie-brown-lyrics

感想:アルクによると、smash ~ into smithereensは、~を粉々に[木っ端みじんに]砕く、~を粉砕する、などの意味です。


1について、民法605条の2第1,3項は

「前条、借地借家法(平成三年法律第九十号)第十条又は第三十一条その他の法令の規定による賃貸借の対抗要件を備えた場合において、その不動産が譲渡されたときは、その不動産の賃貸人たる地位は、その譲受人に移転する。
3 第一項又は前項後段の規定による賃貸人たる地位の移転は、賃貸物である不動産について所有権の移転の登記をしなければ、賃借人に対抗することができない。」

と、規定しています。


4について、借地借家法10条1項は

「借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。」

と、規定しています。

最判昭和50年2月13日は

「借地権のある土地の上の建物についてなさるべき登記は権利の登記にかぎられることなく、借地権者が自己を所有者と記載した表示の登記のある建物を所有する場合もまた同条にいう「登記シタル建物ヲ有スルトキ」にあたり、当該借地権は対抗力を有するものと解するのが相当である。」

と、判示しています。


したがって、上記記述は、1が正しく、4が誤りです。