刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 2301

乙:You were playing with the station
And I was fidgeting with the heat

 

出典:https://genius.com/Alvvays-after-the-earthquake-lyrics

 

感想:アルクによると、fidget withは、~をいじくる、という意味です。

 

 

今日の問題は、平成29年司法試験民法第6問アとエです。

 

時効に関する(中略)
ア.買主の売主に対する瑕疵担保による損害賠償請求権の消滅時効は,買主が目的物の引渡しを受けた時から進行を始める。
エ.主たる債務者がその債務について時効の利益を放棄した場合には,その保証人に対してもその効力を生ずる。

 

こ、甲先生!?

 

甲:ハロウィンラッシュ。たのしかったね。。

 

乙:アについて、民法565条は

 

「前三条の規定は、売主が買主に移転した権利が契約の内容に適合しないものである場合(権利の一部が他人に属する場合においてその権利の一部を移転しないときを含む。)について準用する。」

 

同法562条1項は

 

「引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。ただし、売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。」

 

同法566条は

 

「売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から一年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない。」


同法166条1項は

 

「債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。」


最判平成13年11月27日は

 

「 (1) 買主の売主に対する瑕疵担保による損害賠償請求権は,売買契約に基づ
き法律上生ずる金銭支払請求権であって,これが民法167条1項にいう「債権」に当たることは明らかである。この損害賠償請求権については,買主が事実を知った日から1年という除斥期間の定めがあるが(同法570条,566条3項),これは法律関係の早期安定のために買主が権利を行使すべき期間を特に限定したものであるから,この除斥期間の定めがあることをもって,瑕疵担保による損害賠償請求権につき同法167条1項の適用が排除されると解することはできない。さらに,買主が売買の目的物の引渡しを受けた後であれば,遅くとも通常の消滅時効期間の満了までの間に瑕疵を発見して損害賠償請求権を行使することを買主に期待しても不合理でないと解されるのに対し,瑕疵担保による損害賠償請求権に消滅時効の規定の適用がないとすると,買主が瑕疵に気付かない限り,買主の権利が永久に存続することになるが,これは売主に過大な負担を課するものであって,適当といえ
ない。
 したがって,【要旨】瑕疵担保による損害賠償請求権には消滅時効の規定の適用
があり,この消滅時効は,買主が売買の目的物の引渡しを受けた時から進行する」

 

と、判示しています。

 

 

エについて、大判大正5年12月25日は

 

「主タル債務者ニ対スル履行ノ請求其他時効ノ中断カ保証人ニ対シテモ其効力ヲ生スルハ特別ノ規定アルカ為メナリ然ルニ主タル債務者カ為シタル時効ノ利益ノ抛棄ニ付テハ保証人ニ対シ其効力ヲ生スル旨ノ規定ナキノミナラス時効ノ利益ノ抛棄ハ畢竟抗弁権ヲ抛棄スルモノニ外ナラサレハ抛棄者及ヒ其承継人以外ノ者ニ対シ其効力ヲ生スルモノト為スヲ得ス故ニ原院カ仮ニ主タル債務者小堀亀太郎ニ於テ時効ノ利益ヲ抛棄シタルコトアリトスルモ保証人タル被上告人ニ対シテ其効力ヲ及ホスコトナキ旨判示シタルハ正当ニシテ上告人所論ノ如キ不法ナシ」

 

と、判示しています。

 

 

したがって、上記記述は、アが正しく、エが誤りです。