刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 2679

乙:今日の問題は、令和4年司法試験憲法第1問ウです。

 

憲法が保障する基本的人権の制約理由に関する次のアからウまでの各記述について、最高裁判所の判例の趣旨に照らして(中略)
ウ.労働基本権は、勤労者の経済的地位の向上のための手段として認められたものであって、それ自体が目的とされる絶対的なものではないから、憲法第13条のいう公共の福祉のための制約を受けるほか、公務員の争議行為の禁止の場合のように、勤労者を含めた国民全体の共同利益の見地からする制約を受ける。

 

甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

 

甲:Wish I could just give up and give in to the life of safe bets,

but I’m bound to my thick head

 

出典:https://youtu.be/edfFRFciias?feature=shared

 

感想:アルクによると、thick headは、鈍い頭、などの意味です。

 

乙:憲法13条は

 

「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」

 

と、規定しています。

 

最大判昭和48年4月25日は

 

「一 よつて考えるに、憲法二八条は、「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利」、すなわちいわゆる労働基本権を保障している。この労働基本権の保障は、憲法二五条のいわゆる生存権の保障を基本理念とし、憲法二七条の勤労の権利および勤労条件に関する基準の法定の保障と相まつて勤労者の経済的地位の向上を目的とするものである。このような労働基本権の根本精神に即して考えると、公務員は、私企業の労働者とは異なり、使用者との合意によつて賃金その他の労働条件が決定される立場にないとはいえ、勤労者として、自己の労務を提供することにより生活の資を得ているものである点において一般の勤労者と異なるところはないから、憲法二八条の労働基本権の保障は公務員に対しても及ぶものと解すべきである。ただ、この労働基本権は、右のように、勤労者の経済的地位の向上のための手段として認められたものであつて、それ自体が目的とされる絶対的なものではないから、おのずから勤労者を含めた国民全体の共同利益の見地からする制約を免れないものであり、このことは、憲法一三条の規定の趣旨に徴しても疑いのないところである(この場合、憲法一三条にいう「公共の福祉」とは、勤労者たる地位にあるすべての者を包摂した国民全体の共同の利益を指すものということができよう。)。」

 

と、判示しています。

 

 

したがって、上記記述は、誤りです。