乙 甲先生。
ついに、私好みのボーダーが現れてしまいました…。
今日の問題は
不法行為の被害者が不法行為の時から20年を経過する前6か月内において,当該不法行為を原因とする精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にあるのに法定代理人を有しなかった場合には,その後,後見開始の審判を受け,成年後見人が選任された時から,民法第724条後段の期間が新たに進行する。
甲先生、よろしくお願いします!
こ、甲先生!?
甲 別に、被ってもいいと思うけど。
乙 民法724条は
「不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から20年を経過したときも、同様とする」
と、規定しています。
「20年の除斥期間経過を理由に請求を退けるのは正義感覚に反することから、判例は、後見人の選任の時から6カ月内に損害賠償請求権を行使したなど特段の事情があるときは、民法158条の法意に照らし、724条後段の効果は生じないものと解するのが相当であるとする(最二小判平10年6月12日民集52巻4号1087頁)。」
中村芳彦[2009]
別冊法学セミナー 200号
「新司法試験の問題と解説 2009」
227頁
したがって、上記記述は、誤りです。