刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 168

乙:ステフリは、今週末までかかっちゃいそうです。

今日の問題は、プレからです。

AB間で,Bの仲介によりAC間で甲土地の売買契約が成立したら,AがBに報酬を支払うと約した場合において,Aが自らCよりも条件の良いDとの間で売買契約を成立させたとしても,AはBに対し報酬を支払わなくてもよい。

甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

甲:来週までかかりそうだね。

乙:民法130条は


「条件が成就することによって不利益を受ける当事者が故意にその条件の成就を妨げたときは、相手方は、その条件が成就したものとみなすことができる。」

と、規定しています。

最判昭和39年1月23日は

「被上告人は上告人に対し昭和三元年一月頃自己所有の本件山林の売却方の斡旋を依頼し、同時に右斡旋の報酬として、もし代金一八〇万円で売れた場合には金二〇万円を、金二〇〇万円で売れた場合には金三〇万円を、それ以上に売れたときは三〇万円とその超過額を与える外上告人が予て被上告人に負担していた金一〇万円の借入金債務を免除する旨の停止条件付契約を締結したところ、他方において被上告人は昭和三一年九月二二日頃本件山林を訴外Dに対し代金一六五万円で売却して了つたというのである。上告人の前示斡旋事務の処理は、その事務の進行の程度如何にかかわらず、被上告人のDに対する右の売却に因り履行不能に陥つたものと解すべきであるから、被上告人は故意に前示停止条件の成就を妨げたものと云わなければなない。尤も、原判決は挙示の証拠により、被上告人は右の売却交渉中四回にわたりその妻女を上告人方に遣わし『九州から本件山林を買いに来ており、その返事をしなければならないから来てくれ』と伝え、上告人が来れば九州の買手のことを話し相談する下心であつたが、上告人において来会しなかつたので、遂に相談ができなかつたとの事実を認定しているが、そのような一事があつたからといつて、さきに前示のような停止条件付契約を締結し右条件の存在することを熟知していたであろう被上告人としては、右条件の成就を妨げる故意がないものということはできない。果して然らば、上告人において右条件が成就したものと看做し得べく、且つ被上告人において前示斡旋の依頼(準委任契約)の解約を申入れた等の主張且つ立証のない本件に在つては、被上告人は上告人に対し報酬として少くとも金三〇万円の支払義務を免れないと同時に前示債務免除の特約もその効力を生じたものと云わざるを得ない。」

と、判示しています。

判例の事案では、Bは停止条件を成就させるため買い手を見つけていました。
(小野ほか『ハイブリッド民法1』252-253頁参照)

本問では、Aの妨害行為がなければ条件が成就していたという蓋然性までは認められません。

そのため、Aは「故意にその条件の成就を妨げた」とはいえません。

したがって、上記記述は、正しいです。