刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 301

乙:今日の問題は、プレからです。

AB間で,Bの仲介によりAC間で甲土地の売買契約が成立したら,AがBに報酬を支払うと約した場合において,Aが自らCよりも条件の良いDとの間で売買契約を成立させたとしても,AはBに対し報酬を支払わなくてもよい。

甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

甲:浴衣の女の子と花火見たいー!

乙:民法130条は

「条件が成就することによって不利益を受ける当事者が故意にその条件の成就を妨げたときは、相手方は、その条件が成就したものとみなすことができる。」

と、規定しています。

最判昭和39年1月23日は

「被上告人は上告人に対し昭和三元年一月頃自己所有の本件山林の売却方の斡旋を依頼し、同時に右斡旋の報酬として、もし代金一八〇万円で売れた場合には金二〇万円を、金二〇〇万円で売れた場合には金三〇万円を、それ以上に売れたときは三〇万円とその超過額を与える外上告人が予て被上告人に負担していた金一〇万円の借入金債務を免除する旨の停止条件付契約を締結したところ、他方において被上告人は昭和三一年九月二二日頃本件山林を訴外Dに対し代金一六五万円で売却して了つたというのである。してみれば、上告人の前示斡旋事務の処理は、その事務の進行の程度如何にかかわらず、被上告人のDに対する右の売却に因り履行不能に陥つたものと解すべきであるから、被上告人は故意に前示停止条件の成就を妨げた」

と、判示しています。


「もとの所有者からX,Yの二人がそれぞれ譲渡を受けたという二重譲渡の事案では,所有権移転登記を具備した譲受人が確定的に所有権を取得することができます。」

『新問題研究 要件事実』編集 司法研修所、2012年、80頁


本件のDは、甲土地の所有権移転登記を具備していません。そのため、甲土地について、AC間の売買契約も成立します。

上記判例の事案と異なり、BのAに対する斡旋事務の処理は履行不能に陥っていません。

したがって、上記記述は、正しいです。