刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 1630

乙:You're telling lies, now I'm energised, I'm more precise

出典:https://genius.com/Slowthai-and-a-ap-rocky-mazza-lyrics

感想:tell a lieは重い嘘に使うらしいです。日本語でうそでしょ?と言うような感覚でYou liar.などと言わないほうがいいらしいです。どうしても言いたければ、You're kidding.やNo way.らしいです(アルク参照)。


今日の問題は、司法試験刑事系平成26年第2問1です。

宿泊客が,旅館の貸与した浴衣を自分のものにしようと考え,これを着用したまま,玄関にいた支配人に「ちょっと向かいのポストまで手紙を出してくる。」と告げ,支配人に「いってらっしゃいませ。」と言われて旅館を立ち去った行為には,窃盗罪は成立しない。

甲先生、よろしくお願いします!


甲:刑法235条は

「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」

と、規定しています。


最決昭和31年1月19日は

「本件のように被告人が旅館に宿泊し、普通に旅館が旅客に提供するその所有の丹前、浴衣を着、帯をしめ、下駄をはいたままの状態で外出しても、その丹前等の所持は所有者である旅館に存するものと解するを相当とするから、原判決には刑訴四一一条一、二号の法令違反、事実誤認も認められない。
よつて、同四一四条、三八六条一項三号、一八一条、刑法二一条により、主文のとおり決定する。
 この決定は、事実誤認、法令違反の点につき裁判官斎藤悠輔の反対意見あるを除くほか、裁判官一致の意見によるものである。
裁判官斎藤悠輔の反対意見は、次のとおりである。
 原判決は、「右証拠によれば、被告人がその宿泊料の支払ができないため、「ちよつと手紙を出してくる」といつて偽り同旅館の丹前を着、下駄をはいて出たまま一週間余りも同旅館へは立帰えらず、又その間旅館へは十分その連絡ができたものと思われるのに、何等の連絡もとらずに……そのまま放置して顧みなかつたことが明らかである云々」と説示している。従つて、原判決は、本件第一審判決の判示第六の旅館新松葉における窃盗の目的物である丹前、浴衣、帯、下駄等は被告人が同旅館の承諾の下に借受けて着用したものと認定したものであること明白である。そして、かような場合には旅館に民法上の占有権は依然として存在するかも知れないが、刑法上の所持は専ら被告人に存するものと解するを相当とする。従つて、仮りに、原判決の認めたように被告人に不法領得の意思があつて右物件を旅館に返還しなかつたとしても、旅館の所持を侵奪したものといえないから、横領罪を構成することあるは格別窃盗罪の成立を肯定することはできない。」

と、判示しています。


したがって、上記記述は、誤りです。