刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 1070

乙:But somehow we missed out on that pot of gold

出典:https://www.azlyrics.com/lyrics/styx/comesailaway.html

感想:虹は歌詞に出てこないと思う。

 

今日の問題は、司法試験平成28年刑法第2問オ.です。


甲に横領罪が成立する場合(中略)
オ.甲は,自己が所有する不動産について,乙を権利者とする抵当権を設定したが,その抵当権設定登記が完了する前に,同不動産について,丙を権利者とする抵当権を設定し,その抵当権設定登記を完了した。

 

甲先生、よろしくお願いします!

 

甲:刑法247条は

 

「他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」

 

同法252条1項は

 

「自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の懲役に処する。」

 

と、規定しています。

 

最判昭和31年12月7日は

 

「 論旨第一は、背任罪の成立要件たる事務は他人の事務であることを要件とする。
しかるに本件第一番抵当権者たるべきAに対する被告人の抵当権段定の登記義務は
設定者である被告人固有の事務であつて他人の事務ではないのに、原審が被告人の
所為を背任罪に問擬したのは刑法二四七条の解釈適用を誤つた違法があり、且つ憲
塗法三一条、一一条違憲の判決であると主張する。しかし抵当権設定者はその壁登
記に関し、これを完了するまでは、抵当権者に協力する任務を有することはいうま
でもないところであり、右任務は主として他人である抵当権者のために負うものと
いわなければならない。この点に関する原判決の判示はまことに正当である。所論
はひつきよう登記義務の性質に関し独自の見解を主張するものであつて、違憲の主
張はその前提を欠く、論旨は採用できない。」

 

と、判示しています。

 

 

したがって、上記記述は、誤りです。