乙：今日の問題は、新司法試験平成18年民事系第23問エです。
第三者のためにする契約に関する（中略）
Ａが宝石をＢに売り，代金の支払に代えて，ＢがＣに対して有する債権を放棄するとの契約を締結した場合，判例によると，Ｃが受益の意思表示をすれば，ＢのＣに対する債務免除の意思表示を要せずに，Ｃの債務は消滅する。
甲先生、よろしくお願いします！
こ、甲先生！？
甲：whilst we’re making up on the telephone
出典：https://youtu.be/-IH9NRXZ6LE
感想：アルクによると、make upは〔けんかの〕仲直りをするなどの意味です。
乙：大判昭和16年９月30日は
「原審ハ被上告人ハ昭和十三年十月十四日上告人トノ契約ニ於テ訴外工藤謙三ノ被上告人ニ対スル賃料合計金五百円ノ債務中金二百円ヲ免除スルコトヲ約シタルモ工藤自ラ受益ノ意思表示ヲ為シタルコトハ之ヲ認ムヘキ証拠ナク上告人ハ同人ニ対シテ弁済期到来セル債権ヲ有スルモ右受益ノ意思表示ヲ為スコトハ権利ニ非スシテ一種ノ法律上ノ可能ニ過キス且工藤カ自己ノ意思ニ基キテ為スヘキモノナルカ故ニ工藤ノ債権者タル上告人カ同人ニ代位シテ為シ得ヘキモノニ非ス而シテ右免除ノ契約ハ所謂第三者ノタメニスル契約ニ属シ第三者ノ受益ノ意思表示アリタルトキ免除ノ効力ヲ生スルモノナリト解シ上告人カ工藤ニ代位シテ受益ノ意思表示ヲ為シ因テ免除ノ効力ヲ生シタリトノコトヲ理由トスル上告人ノ本訴請求ヲ排斥シタルモノトス然レトモ所謂第三者ノ為ニスル契約ニ付第三者カ諾約者ニ対シテ受益ノ意思表示ヲ為スコトヲ得ヘキ地位ハ一種ノ形成権ニ外ナラサルカ故ニ第三者ノ債権者カ自己ノ債権ヲ保全スル為メ第三者ニ属スル権利ヲ行使スル必要アル場合ニ於テハ第三者ニ代位シテ右受益ノ意思表示ヲ為シ得ルモノト解スルヲ相当トス」
と、判示しています。
したがって、上記記述は、正しいです。
