刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 2389

乙:今日の問題は、令和3年司法試験民法第24問オです。

 

贈与に関する(中略)
オ.登記された建物が書面によらずに贈与された場合,贈与者は,受贈者への目的物の引渡し及び所有権移転登記の双方がされるまでは,贈与契約を解除することができる。

 

甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

 

甲:I be knee deep in this 

 

出典:https://youtu.be/Q8abFtIvU44

 

感想:アルクによると、knee-deep inは、〔問題など〕にどっぷりとはまっている、という意味です。

 

 

乙:民法550条は

 

「書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。」

 

と、規定しています。

 

最判昭和40年3月26日は

 

「不動産の贈与契約において、該不動産の所有権移転登記が経由されたときは、該不動産の引渡の有無を問わず、贈与の履行を終つたものと解すべきであり、この場合、当事者間の合意により、右移転登記の原因を形式上売買契約としたとしても、右登記は実体上の権利関係に符合し無効ということはできないから、前記履行完了の効果を生ずるについての妨げとなるものではない。
 本件において原判決が確定した事実によると、上告人は本件建物を被上告人に贈与することを約するとともに、その登記は当事者間の合意で売買の形式をとることを定め、これに基づいて右登記手続を経由したというのであるから、これにより、本件贈与契約はその履行を終つたものというべきであり、その趣旨の原判示判断は正当である。これと異なる見解に立脚する論旨は、採るを得ない。」

 

最判昭和31年1月27日は

 

「 原判決は本件建物の所有権は、その出来上りと同時に被上告人に移転せられたも
のであるから、所論の贈与は、既にその履行を終つたものである。よつて、右贈与は上告人Aにおいて、これを取消すことはできないと判示するけれども不動産の贈与は、その所有権を移転したのみをもつて、民法五五〇条にいわゆる「履行ノ終ハリタル」ものとすることはできないのであつて、右「履行ノ終ハリタル」ものとするには、これが占有の移転を要するものと解すべきことは、論旨所説のとおりである。しかし、原判決は右贈与契約については上告人Aは出来上りと同時にこれを被上告人に贈与すると共に、「その後一年間は、控訴人(上告人)Aにおいて右建物を無償で使用し、ビンゴゲーム場を経営して利益をあげ、その一年の期間満了とともに右建物を被上告人に明渡すことと定めた」こと、並びに上告人Aが右契約の趣旨に従つて右建物建築后これを占有使用していることを認定しているのであつて、この事実関係の下においては、右建物は、出来上りと共にその所有権が被上告人に移転すると同時に、爾後上告人Aは被上告人の為めに右建物を占有する旨の意思を暗黙に表示したものと解すべきであるから、これによつて、右建物の占有もまた、被上告人に移転したものというべく、従つて、本件贈与は、既にその履行を終つたものと解するを相当とする。されば上告人の右贈与取消の抗弁を排斥した原判決は結局正当であつて、論旨は理由がない。」

 

と、判示しています。

 

 

したがって、上記記述は、誤りです。