乙:今日の問題は、令和4年予備試験刑事訴訟法第24問エです。
違法収集証拠排除法則に関する(中略)ただし、判例がある場合には、それに照らして考えるものとする。
(中略)
エ.違法に収集された証拠物の証拠能力が否定されるかの判断に当たって、捜査機関が当該証拠の押収までに行ったことは考慮されるが、押収後に行ったことが考慮されることはない。
甲先生、よろしくお願いします!
こ、甲先生!?
甲:I'm scarred, I'm battered, and I'm bruised
Holding together just by you
出典:https://youtu.be/zdiEUc2DlHk
感想:アルクによると、hold togetherは、まとまる、という意味です。
乙:最判平成15年2月14日は
「【要旨1】本件逮捕には,逮捕時に逮捕状の呈示がなく,逮捕状の緊急執行もされていない(逮捕状の緊急執行の手続が執られていないことは,本件の経過から明らかである。)という手続的な違法があるが,それにとどまらず,警察官は,その手続的な違法を糊塗するため,前記のとおり,逮捕状へ虚偽事項を記入し,内容虚偽の捜査報告書を作成し,更には,公判廷において事実と反する証言をしているのであって,本件の経緯全体を通して表れたこのような警察官の態度を総合的に考慮すれば,本件逮捕手続の違法の程度は,令状主義の精神を潜脱し,没却するような重大なものであると評価されてもやむを得ないものといわざるを得ない。そして,このような違法な逮捕に密接に関連する証拠を許容することは,将来における違法捜査抑制の見地からも相当でないと認められるから,その証拠能力を否定すべきである(最高裁昭和51年(あ)第865号同53年9月7日第一小法廷判決・刑集32巻6号1672頁参照)。
(2) 前記のとおり,本件採尿は,本件逮捕の当日にされたものであり,その尿は,上記のとおり重大な違法があると評価される本件逮捕と密接な関連を有する証拠であるというべきである。また,その鑑定書も,同様な評価を与えられるべきものである。
したがって,原判決の判断は,上記鑑定書の証拠能力を否定した点に関する限り,相当である。」
と、判示しています。
したがって、上記記述は、誤りです。