今日の問題は
判例によれば、建物は、屋根瓦を葺き荒壁を塗り床及び天井を張る等して初めて独立した不動産となる。
甲先生、よろしくお願いします！
こ、甲先生！？
甲：きょうの乙さんの運勢は良いみたいね。大安だし
甲：きょうの乙さんの運勢は良いみたいね。大安だし
乙：大判昭和10年10月1日は
「被上告人大西ノ第一ノ建物ニ対スル所有権取得ヲ以テ原始的取得ナリトシタリ而シテ其ノ理由トスルトコロハ『大西カ四方ヨリ第一ノ建物ヲ取得シタル当時ハ屋根瓦ヲ葺キ荒壁ヲ塗リタル程度ニシテ床及天井出来居ラサリシカ故ニ未タ不動産タル建物ト称シ得ヘキ程度ニ達シ居ラサリシ』カ故ナリト云フニアリ然レトモ建物トハ土地ニ定著シ風雨ヲ蔽ヒ人ノ出入ニ適スル工作物ナルヲ以テ（明治四十五年三月二十三日法曹会決議法曹記事二二巻五号六八頁）（中略）凡ソ建物ハ其ノ使用ノ目的ニ応シテ構造ヲ異ニスルモノニシテ之ヲ新築スル場合ニハ建物カ其ノ目的トスル使用ニ適当ナル構成部分ヲ具備スル程度ニ達セサル限リ末タ完成シタル建物ト称スル能ハスト雖建物トシテ不動産登記法ニ依リ登記ヲ為スヲ得ルニ至ルトキハ当該有体物ハ已ニ動産ノ領域ヲ脱シテ不動産ノ部類ニ入リタリト云ハサルヘカラス而シテ工事中ノ建物ト雖已ニ屋根及周壁ヲ有シ土地ニ定著セル一個ノ建造物トシテ存在スルニ至ルヲ以テ足レリトシ床及天井ノ如キハ末タ之ヲ具ヘサルモ可ナリ蓋此等ハ本件ニ於ケルカ如キ住宅用建物ノ完成ニ役立ツモノニ外ナラサレハナリ」
と、判示しています。
したがって、上記記述は、誤りです。
