刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 163

乙:甲先生って、やっぱり、意地悪ですよね。

今日の問題は

甲動産を所有するAが,これをBに売り,さらにBがCに譲渡したが,AがBから代金の支払を受けていない場合の法律関係に関して,BからCへの譲渡がCの有する債権を担保するためのものである場合,甲動産がAからBに現実に引き渡され,さらにBからCに占有改定がされたときは,Aは,動産売買先取特権の行使として,甲動産を差し押さえることができない。

甲先生、よろしくお願いします!
こ、甲先生!?

甲:あんたもいじわるじゃん!

乙:民法333条は

「先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三債務者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。」

同法183条は

「代理人が自己の占有物を以後本人のために占有する意思を表示したときは、本人は、これによって占有権を取得する。」

と、規定しています。

大判大正6年7月26日は

「民法第三百三十三条ニ所謂引渡中ニハ同法第百八十三条ニ依ル占有改定ノ場合ヲモ包含スルモノト解スルヲ相当トス」

最判昭和62年11月10日は

「訴外会社がその構成部分である動産の占有を取得したときは被上告会社が占有改定の方法によつてその占有権を取得する旨の合意に基づき、現に訴外会社が右動産の占有を取得したというを妨げないから、被上告会社は、右集合物について対抗要件の具備した譲渡担保権を取得したものと解することができることは、前記の説示の理に照らして明らかである。そして、右集合物とその後に構成部分の一部となつた本件物件を包含する集合物とは同一性に欠けるところはないから、被上告会社は、この集合物についての譲渡担保権をもつて第三者に対抗することができるものというべきであり、したがつて、本件物件についても引渡を受けたものとして譲渡担保権を主張することができるものというべきであるところ、被担保債権の金額及び本件物件の価額は前記のとおりであつて、他に特段の事情があることについての主張立証のない本件においては、被上告会社は、本件物件につき民法三三三条所定の第三取得者に該当するものとして、上告会社が前記先取特権に基づいてした動産競売の不許を求めることができるものというべきである。」

と、判示しています。

したがって、上記記述は、正しいです。