刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 199

乙:今日の問題は

甲は,外国で販売する目的で,日本国内においてわいせつな写真を所持した。この場合,甲にわいせつ物販売目的所持罪が成立する。


甲先生、よろしくお願いします!
こ、甲先生!?


甲:刑法175条は

「わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。
2  有償で頒布する目的で、前項の物を所持し、又は同項の電磁的記録を保管した者も、同項と同様とする。」

と、規定しています。


最判昭和52年12月22日は、

「刑法一七五条の規定は、わが国における健全な性風俗を維持するため、日本国内において猥せつの文書、図画などが頒布、販売され、又は公然と陳列されることを禁じようとする趣旨に出たものであるから(このことは、刑法二条、三条の国外犯の処罰例中に同法一七五条が掲げられていないことから明らかである。)、同条後段にいう「販売の目的」とは日本国内において販売する目的をいうものであり、したがつて、猥せつの図画等を日本国内で所持していても日本国外で販売する目的であつたにすぎない場合には同条後段の罪は成立しない」

と、判示しています。

刑法175条は、平成23年に改正されています。
改正前の条文は

「わいせつな文書、図画その他の物を頒布し、販売し、又は公然と陳列した者は、2年以下の懲役又は250万円以下の罰金若しくは科料に処する。販売の目的でこれらの物を所持した者も、同様とする。」

出典 https://ja.m.wikibooks.org/wiki/刑法第175

したがって、上記記述は、誤りです。