刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 554

乙:今日の問題は

甲がインターネットを介したわいせつな映像の販売業を営み始めたところ,その購入を申し込んできた顧客は1名だけであったが,甲は,その者に対して,電子メールに同映像のデータを添付して送信した。甲にわいせつ物頒布罪が成立する。

甲:

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乙:刑法175条1項は

「わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。」

と、規定しています。

最決平成26年11月5日は

「刑法175条1項後段にいう「頒布」とは,不特定又は多数の者の記録媒体上に電磁的記録その他の記録を存在するに至らしめることをいう」

大判大正6年5月19日は

「刑法第百七十五條ニ所謂販賣トハ不定多衆ニ對シテ爲スノ目的ニ出テタル有償的ノ讓渡行爲ヲ指稱シ苟クモ其目的ニ出ツル以上ハ單ニ一人ニ對シ一囘ノ有價的讓渡行爲ヲ爲シタルニ止マル場合ト雖モ之ヲ同條ニ所謂販賣ト謂フヲ妨ケス原判決カ被告ハ判示物件ヲ松井柾次ニ販賣シタリト判示セルハ叙上ノ意義ニ外ナラス」

と、判示しています。


したがって、上記記述は、正しいです。