刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 463

乙:今日の問題も、2問あります。


3.債務者でない者が錯誤によって債務の弁済をした場合において,債権者が善意で担保を放棄したときは,弁済をした者は,重大な過失がなくても返還の請求をすることができない。
5.判例によれば,家庭裁判所が相続放棄の申述を受理した後は,相続放棄について錯誤による無効を主張することはできない。



甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

甲:「ブライト」の続編もおすすめだし、なんどでもみるといいよ。

乙:民法95条は

「意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。」

と、規定しています。


3について、民法707条1項は

「債務者でない者が錯誤によって債務の弁済をした場合において、債権者が善意で証書を滅失させ若しくは損傷し、担保を放棄し、又は時効によってその債権を失ったときは、その弁済をした者は、返還の請求をすることができない。」

と、規定しています。


5について、最判昭和40年5月27日は

「相続放棄は家庭裁判所がその申述を受理することによりその効力を生ずるものであるが、その性質は私法上の財産法上の法律行為であるから、これにつき民法九五条の規定の適用があることは当然であり(昭和二七年(オ)第七四三号・同三〇年九月三〇日第二小法廷判決・裁判集民事一九号七三一頁参照)」

と、判示しています。


したがって、上記記述は、3が正しく、5が誤りです。