刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 468

乙:甲先生、FATFって、どういう意味でしょうか。

今日の問題は、プレからで、2問あります。

Aは,Bの代理人と称するC(30歳)との間で,B所有の甲土地を買い受けるとの売買契約を締結したが,BはCが無権代理であったと主張して争っている。(中略)
3.配偶者のいないBが死亡し,Bに子C及びDがいた場合,Dが追認を拒絶していても,Aは,Cに対し,甲土地の共有持分2分の1について,所有権移転登記手続を求めることができる。
4.Aにおいて,Cが無権代理人であることについて善意かつ無過失であれば,Cに故意又は過失がなくても,Cに対し,甲土地の転売で得られたはずの利益の賠償を請求することができる。



甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

甲:ふぁいなんしゃるあくしょんたすくふぉーすでしたっけ。

乙:3について、最判平成5年1月21日は

「無権代理人が本人を他の相続人と共に共同相続した場合において、無権代理行為を追認する権利は、その性質上相続人全員に不可分的に帰属するところ、無権代理行為の追認は、本人に対して効力を生じていなかった法律行為を本人に対する関係において有効なものにするという効果を生じさせるものであるから、共同相続人全員が共同してこれを行使しない限り、無権代理行為が有効となるものではないと解すべきである。そうすると、他の共同相続人全員が無権代理行為の追認をしている場合に無権代理人が追認を拒絶することは信義則上許されないとしても、他の共同相続人全員の追認がない限り、無権代理行為は、無権代理人の相続分に相当する部分においても、当然に有効となるものではない。」

と、判示しています。

4について、民法117条は

「他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明することができず、かつ、本人の追認を得ることができなかったときは、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。
2 前項の規定は、他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたとき、若しくは過失によって知らなかったとき、又は他人の代理人として契約をした者が行為能力を有しなかったときは、適用しない。」

と、規定しています。

最判昭和62年7月7日は

「同法一一七条による無権代理人の責任は、無権代理人が相手方に対し代理権がある旨を表示し又は自己を代理人であると信じさせるような行為をした事実を責任の根拠として、相手方の保護と取引の安全並びに代理制度の信用保持のために、法律が特別に認めた無過失責任であり、」

と、判示しています。

したがって、上記記述は、3が誤りで、4が正しいです。