乙:甲先生、たいむとらぶるトンデケマン!って、何でしょうか?
今日の問題は、プレからで、2問あります。
イ.占有者が質屋から買い受けた甲が,その1年前に盗まれた品物であると判明した場合,占有者が返還を請求する所有者に代価の弁償を求めるためには,甲の即時の返還を拒む抗弁として代価弁償の請求をしておかなければならない。
エ.Bは,Aに対する債務の担保として,A所有の甲の所有権を取得するが,引き続きAに甲の占有・使用を認めることとした。その後,Aは,その間の事情を知らないCに対する債務の担保として甲の所有権をCに譲渡する契約を結んだ。Aが債務不履行に陥った後,CがBの存在に気付いていち早く甲の現実の引渡しを受けたとしても,CはBに対して甲の所有権取得を主張できない。
甲先生、よろしくお願いします!
こ、甲先生!?
甲:よろしくメカドック?
乙:イについて、民法194条は
「占有者が、盗品又は遺失物を、競売若しくは公の市場において、又はその物と同種の物を販売する商人から、善意で買い受けたときは、被害者又は遺失者は、占有者が支払った代価を弁償しなければ、その物を回復することができない。」
と、規定しています。
最判平成12年6月27日は
「被上告人は、本件バックホーの回復をあきらめるか、代価の弁償をしてこれを回復するかを選択し得る状況下において、後者を選択し、本件バックホーの引渡しを受けたものと解すべきである。このような事情にかんがみると、上告人は、本件バックホーの返還後においても、なお民法一九四条に基づき被上告人に対して代価の弁償を請求することができるものと解するのが相当である。」
と、判示しています。
エについて、民法178条は
「動産に関する物権の譲渡は、その動産の引渡しがなければ、第三者に対抗することができない。」
同法184条は
「代理人によって占有をする場合において、本人がその代理人に対して以後第三者のためにその物を占有することを命じ、その第三者がこれを承諾したときは、その第三者は、占有権を取得する。」
同法192条は
「取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。」
と、規定しています。
最判昭和30年6月2日は
「売渡担保契約がなされ債務者が引き続き担保物件を占有している場合には、債務者は占有の改定により爾後債権者のために占有するものであり、従つて債権者はこれによつて占有権を取得するものであると解すべきことは、従来大審院の判例とするところであることも所論のとおりであつて、当裁判所もこの見解を正当であると考える。果して然らば、原判決の認定したところによれば、上告人(被控
訴人)は昭和二六年三月一八日の売渡担保契約により本件物件につき所有権と共に間接占有権を取得しその引渡を受けたことによりその所有権の取得を以て第三者である被上告人に対抗することができるようになつたものといわなければならない。」
と、判示しています。
したがって、上記記述は、イが誤りで、エが正しいです。