刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 501

乙:明日はバレンタインですが、何もなさそうです。

今日の問題は、プレからで、2問あります。

ア.借地上の建物の所有権を取得した第三者は,借地借家法に基づく建物買取請求権を行使した場合,買取代金支払まで建物の引渡しを拒むことができるが,建物の使用を継続した期間に応じて建物賃料相当額の不当利得返還責任を負う。
イ.給付判決確定後にそれと実体的法律関係の矛盾が判明したが,それが故意による判決効の詐取に該当しない場合には,再審の訴えによらない限り,その判決に基づき行われた給付について,不当利得の返還は請求できない。


甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

甲:「ひっとらぁ伯父サン」をよんで、世界平和についてかんがえよう。。

乙:アについて、民法575条1項は

「まだ引き渡されていない売買の目的物が果実を生じたときは、その果実は、売主に帰属する。」

と、規定しています。

最判昭和35年9月20日は

「建物買取請求権を行使した後は、買取代金の支払あるまで右建物の引渡を拒むことができるけれども、右建物の占有によりその敷地をも占有するかぎり、敷地占有に基く不当利得として敷地の賃料相当額を返還すべき義務あることは、大審院の判例とするところであり(昭和一〇年(オ)第二六七〇号、同一元年五月二六日、民集一五巻九九八頁)、いまこれを変更する要を見ない。」

と、判示しています。


イについて、民事訴訟法114条1項は

「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」

同法338条1項10号は

「次に掲げる事由がある場合には、確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。ただし、当事者が控訴若しくは上告によりその事由を主張したとき、又はこれを知りながら主張しなかったときは、この限りでない。
十 不服の申立てに係る判決が前に確定した判決と抵触すること。」

と、規定しています。

「後訴において、前訴確定判決の既判力ある判断を争うために、前訴の基準時までに存した事実に基づく攻撃防御方法を提出することは、許されない」

新堂幸司『新民事訴訟法〔第四版〕』650頁


したがって、上記記述は、アが誤りで、イが正しいです。