乙:今日の問題は、4問あります。
ア.建物の賃貸人が有する不動産賃貸の先取特権は,賃借人がその建物に備え付けた動産について存在する。
イ.一般の先取特権を有する債権者は,債務者がその所有物の代償として支払を受けた金銭についても,先取特権を行使することができる。
ウ.質権は,譲り渡すことができない物についても設定することができる。
オ.質権により担保される債権の弁済期後であっても,質権者と質権設定者は,債務の弁済として質物を質権者に取得させることを合意することができない。
甲先生、よろしくお願いします!
こ、甲先生!?
甲:(ぶーろぐはつづくーよ、いつまでもー。。)
乙:アについて、民法313条2項は
「建物の賃貸人の先取特権は、賃借人がその建物に備え付けた動産について存在する。」
と、規定しています。
イについて、民法306条柱書は
「次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の総財産について先取特権を有する。」
と、規定しています。
ウについて、民法343条は
「質権は、譲り渡すことができない物をその目的とすることができない。」
と、規定しています。
オについて、民法349条は
「質権設定者は、設定行為又は債務の弁済期前の契約において、質権者に弁済として質物の所有権を取得させ、その他法律に定める方法によらないで質物を処分させることを約することができない。」
と、規定しています。
したがって、上記記述は、アとイが正しく、ウとオが誤りです。