刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 852

乙:甲先生は、ダウト〜嘘つきオトコは誰?〜バレンタインフェア in TSUTAYAについて、どう思われますか?


今日の問題は、辰巳短答モーニングシャワー問題51です。

大学は,国公立と私立とを問わず一般市民社会とは異なる特殊な部分社会を形成しており,学生に対する単位授与認定行為は,当然に一般市民法秩序と直接の関係を有するものでないことは明らかであり,原則として裁判所の司法審査の対象とはならない。一方,国公立大学の専攻科の修了を認定しないことは,学生が一般市民として公の施設を利用する権利を侵害するものであるから,前記認定に関する争いは司法審査の対象となる。

甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?


甲:

イメージ 1



出典:https://www.instagram.com/p/Bom0FKSHusI/


乙:前段について、最判昭和52年3月15日は

「大学は、国公立であると私立であるとを問わず、学生の教育と学術の研究とを目的とする教育研究施設であつて、その設置目的を達成するために必要な諸事項については、法令に格別の規定がない場合でも、学則等によりこれを規定し、実施することのできる自律的、包括的な権能を有し、一般市民社会とは異なる特殊な部分社会を形成しているのであるから、このような特殊な部分社会である大学における法律上の係争のすべてが当然に裁判所の司法審査の対象になるものではなく、一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的な問題は右司法審査の対象から除かれるべきものである」

「それゆえ、単位授与(認定)行為は、他にそれが一般市民法秩序と直接の関係を有するものであることを肯認するに足りる特段の事情のない限り、純然たる大学内部の問題として大学の自主的、自律的な判断に委ねられるべきものであつて、裁判所の司法審査の対象にはならない」

と、判示しています。前段は正しいです。

後段について、同判例は

「国公立の大学は公の教育研究施設として一般市民の利用に供されたものであり、学生は一般市民としてかかる公の施設である国公立大学を利用する権利を有するから、学生に対して国公立大学の利用を拒否することは、学生が一般市民として有する右公の施設を利用する権利を侵害するものとして司法審査の対象になるものというべきである。そして、右の見地に立つて本件をみるのに、大学の専攻科は、大学を卒業した者又はこれと同等以上の学力があると認められる者に対して、精深な程度において、特別の事項を教授し、その研究を指導することを目的として設置されるものであり(学校教育法五七条)、大学の専攻科への入学は、大学の学部入学などと同じく、大学利用の一形態であるということができる。そして、専攻科に入学した学生は、大学所定の教育課程に従いこれを履修し専攻科を修了することによつて、専攻科入学の目的を達することができるのであつて、学生が専攻科修了の要件を充足したにもかかわらず大学が専攻科修了の認定をしないときは、学生は専攻科を修了することができず、専攻科入学の目的を達することができないのであるから、国公立の大学において右のように大学が専攻科修了の認定をしないことは、実質的にみて、一般市民としての学生の国公立大学の利用を拒否することにほかならないものというべく、その意味において、学生が一般市民として有する公の施設を利用する権利を侵害するものであると解するのが、相当である。されば、本件専攻科修了の認定、不認定に関する争いは司法審査の対象になる」

と、判示しています。後段も正しいです。


したがって、上記記述は、正しいです。