刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 1799

乙:今日の問題は、新司法試験平成21年公法系第2問アです。

私人間における人権保障に関する(中略)
ア.国が行政の主体としてでなく私人と対等の立場から私人との間で個々的に締結する私法上の
契約は,国の統治行動の場合と同一の基準や観念によってこれを律することはできないのであ
り,私人間の利害関係の公平な調整を目的とする私法の適用を受けるだけである。

甲先生、よろしくお願いします!
こ、甲先生!?


甲:The house awake and hungry spits a burning mouthful out

出典:https://youtu.be/Sm49SKRm3Kw

感想:spitは唾を吐くと覚えていましたが、アルクによると、〔口の中の物を〕吐く、吐き出すという意味もあるようです。


乙:最判平成元年6月20日は

「上告人らが平和主義ないし平和的生存権として主張する平和とは、理念ないし目的としての抽象的概念であつて、それ自体が独立して、具体的訴訟において私法上の行為の効力の判断基準になるものとはいえず、また、憲法九条は、その憲法規範として有する性格上、私法上の行為の効力を直接規律することを目的とした規定ではなく、人権規定と同様、私法上の行為に対しては直接適用されるものではないと解するのが相当であり、国が一方当事者として関与した行為であつても、たとえば、行政活動上必要となる物品を調達する契約、公共施設に必要な土地の取得又は国有財産の売払いのためにする契約などのように、国が行政の主体としてでなく私人と対等の立場に立つて、私人との間で個々的に締結する私法上の契約は、当該契約がその成立の経緯及び内容において実質的にみて公権力の発動たる行為となんら変わりがないといえるような特段の事情のない限り、憲法九条の直接適用を受けず、私人間の利害関係の公平な調整を目的とする私法の適用を受けるにすぎないものと解するのが相当である。以上のように解すべきことは、最高裁昭和四三年(オ)第九三二号同四八年一二月一二日大法廷判決・民集二七巻一一号一五三六頁の趣旨に徴して明らかである。
 これを本件についてみると、まず、本件土地取得行為のうち被上告人藤岡が上告人石塚に対してした契約解除の意思表示については、私人間でされた純粋な私法上の行為で、被上告人国がなんら関与していない行為であり、しかも、被上告人藤岡は、上告人石塚が売買残代金を支払わないことから、上告人石塚との間の売買契約を解除する旨の意思表示をするに至つたものであり、かつ、被上告人国とは右解除の効果が生じた後に本件売買契約を締結したというのであるから、被上告人藤岡のした売買契約解除の意思表示は、被上告人国が本件売買契約を締結するについて有していた自衛隊基地の建設という目的とは直接かかわり合いのないものであり、したがつて、憲法九条が直接適用される余地はないものというべきである。
 次に、被上告人藤岡と被上告人国との間で締結された本件売買契約について憲法九条の直接適用の有無を検討することにする。原審の確定した前記事実関係によれば、本件売買契約は、行為の形式をみると、私法上の契約として行われており、また、行為の実質をみても、被上告人国が基地予定地内の土地所有者らを相手方とし、なんら公権力を行使することなく純粋に私人と対等の立場に立つて、個別的な事情を踏まえて交渉を重ねた結果締結された一連の売買契約の一つであつて、右に説示したような特段の事情は認められず、したがつて、本件売買契約は、私的自治の原則に則つて成立した純粋な財産上の取引であるということができ、本件売買契約に憲法九条が直接適用される余地はないものというべく、これと同趣旨の原審の判断は、正当として是認することができる。」

と、判示しています。


したがって、上記記述は、誤りです。