刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 2068

乙:I'd hate to picture someone with you

出典:https://genius.com/Snail-mail-valentine-lyrics

感想:アルクによると、pictureは、〔~を〕頭[心]の中に描く、想像する、心に描く、目に浮かべる、などの意味です。


今日の問題は、予備試験平成27年商法第29問アとオです。

約束手形の流通に関する(中略)
ア.Aが商取引の裏付けなく専ら手形を利用してBに金融を得させることを目的としてBに手形を振り出した場合において,BがCにこれを裏書譲渡したときは,Cがそのような手形振出しの目的を知ってその手形を取得したときでも,Aは,そのことを理由として,Cに対して手形
金の支払を拒むことができない。
オ.AがBに振り出した手形をBがCに裏書譲渡し,これをCが更にDに裏書譲渡した場合において,AがBに対する人的抗弁を善意のCに対して対抗することができないときは,Dがその
人的抗弁の存在を知ってその手形を取得したときでも,Aは,Dに対してその人的抗弁を対抗
することができない。

甲先生、よろしくお願いします!


甲:アについて、最判昭和34年7月14日は

「所論原判示のいわゆる融通手形なるものは、被融通者をして該手形を利用して金銭を得もしくは得たと同一の効果を受けさせるためのものであるから、該手形を振出したものは、被融通者から直接請求のあつた場合に当事者間の合意の趣旨にしたがい支払いを拒絶することができるのは格別、その手形が利用されて被融通者以外の人の手に渡り、その者が手形所持人として支払いを求めて来た場合には、手形振出人として手形上の責任を負わなければならないこと当然であり、融通手形であるの故をもつて、支払いを拒絶することはできない。しかも、このことは、手形振出人になんら手形上の責任を負わせない等当事者間の特段の合意があり所持人がかかる合意の存在を知つて手形を取得したような場合は格別、その手形所持人が単に原判示のような融通手形であることを知つていたと否とにより異るところはないのである。しからば、本件手形二通はいずれもいわゆる融通手形であることを認定し、右と同趣旨の理由で上告人の所論悪意の抗弁を排斥した原判決の判断は正当であり、所論は理由がない。」


オについて、手形法17条は

「為替手形ニ依リ請求ヲ受ケタル者ハ振出人其ノ他所持人ノ前者ニ対スル人的関係ニ基ク抗弁ヲ以テ所持人ニ対抗スルコトヲ得ズ但シ所持人ガ其ノ債務者ヲ害スルコトヲ知リテ手形ヲ取得シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ」

と、規定しています。


最判昭和37年5月1日は

「手形法一七条但書は、手形債務者が手形所持人の前者に対し人的抗弁をもつて対抗しえた場合に、手形所持人が害意をもつて手形を取得したときは、これに対しても右人的抗弁をもつて対抗しうる旨の規定であつて、手形所持人の前者が善意であるため、手形債務者がこれに対し人的抗弁を対抗しえない場合においても、その前者の地位を承継した手形所持人に対しその悪意を云為して右人的抗弁の対抗を許すものと解すべきではない。」

と、判示しています。


したがって、上記記述は、アもオも正しいです。