刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 131

~前回までのあらすじ~


甲先生がいなくなった。


乙:今日の問題は

特定物の引渡債務につき,債権者の責めに帰することができない事由による受領遅滞が生じた後に,債務者の保管上の重過失によってその物が滅失した場合,債務者は履行不能による損害につき賠償責任を負う。

甲先生、よろしくお願いします!

甲:千のかぁ~ぜになぁ~って~♪

乙:最判昭和40年12月3日は

「債務者の債務不履行と債権者の受領遅滞とは、その性質が異なるのであるから、一般に後者に前者と全く同一の効果を認めることは民法の予想していないところというべきである。民法四一四条・四一五条・五四一条等は、いずれも債務者の債務不履行のみを想定した規定であること明文上明らかであり、受領遅滞に対し債務者のとりうる措置としては、供託・自動売却等の規定を設けているのである。されば、特段の事由の認められない本件において被上告人の受領遅滞を理由として上告人は契約を解除することができない旨の原判決は正当であつて、論旨は採用することができない。」

と、判示しているから、受領遅滞の成立に債権者の帰責事由は不要です。

「債務者は、債務の履行につきそれ以後注意義務を軽減される。故意または重過失についてだけ責任を負うに至ると説かれたり…する。」
『我妻・有泉コンメンタール民法ー総則・物権・債権ー』第2版追補版、日本評論社、2010年、728頁

したがって、上記記述は、正しいです。