刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 696

乙:甲先生、アソビン教授って、誰でしょうか?

今日の問題は、2問あります。

3. 売買代金の履行遅滞に基づく損害賠償請求において,同時履行の抗弁権が存在することが遅滞の違法性を阻却するとの見解に立つ場合,Xが請求原因事実として自己の債務の履行又は履行の提供を主張立証しなければならない。
4. 貸金債権の履行遅滞に基づく損害賠償請求において,Yは,履行遅滞が自己の責めに帰すべき事由に基づかないことを主張立証したときは,その責任を免れる。


甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

甲:(乙さんのあたまは、あそびでいっぱいね。。)


乙:3について、民法533条は

「双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。」

と、規定しています。


「「『抗弁権』というまでもなく,双務契約に基づく債権債務関係であって同時履行の関係に立っているという事実が認定されれば(それがいずれの当事者の主張・立証によるかを問わず,かつ,債務者からの抗弁権行使を要することなく),履行遅延についての違法性は阻却され,遅滞とはならない」(奥田135頁)。
このような存在効果説からは,たとえば,履行遅滞を理由とする損害賠償請求がされる場合に,債権者は,自己の債務について本旨に適った履行をしたこと,または履行の提供をしたことについて,主張・立証しなければならない。」

潮見佳男『債権総論〔第2版〕Ⅰ』(信山社、2003年)184頁


4について、民法419条1,3項は

「金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、法定利率によって定める。ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による。
3 第一項の損害賠償については、債務者は、不可抗力をもって抗弁とすることができない。」

と、規定しています。


「金銭債務については,損害賠償の要件について2つの例外が定められている.
第1に,債務者は不可抗力をもって抗弁となしえない(419条3項).つまり,履行期に提供しなければ,責めに帰すべき事由の有無を問わず損害賠償責任を負う.その理由は,金銭は相当の利息を払えば容易に入手できるから,履行不能が考えられない,という点にある(起草者).」

内田貴『民法Ⅲ 第3版 債権総論・担保物権』155頁


したがって、上記記述は、3が正しく、4が誤りです。