刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 1208

乙:I've been sleeping a thousand years, it seems
Got to open my eyes to everything

 

出典:Evanescence – Bring Me to Life Lyrics | Genius Lyrics

 

感想:本当に寝ていたのか不明。

 

今日の問題は、新司法試験平成23年民事系第59問2と4です。

 

2.貸主Xの借主Yに対する貸金返還請求訴訟において,Yの連帯保証人ZがYに補助参加した場合,Yが自白をしても,Zは,その自白に係る事実を争うことができる。
4.Xは,その所有する建物をYに賃貸し,Yは,Xの承諾を得てその建物をZに転貸した。その後,Xが,Yの債務不履行を理由にYとの建物賃貸借契約を解除したとして,Zに対し,建物の明渡しを求める訴えを提起した場合,Yは,Zに補助参加することができる。

 

 

甲先生、よろしくお願いします!

 

こ、甲先生!?

 

甲:おーぱっきゃまらーど。。

 

 

乙:2について、民事訴訟法45条2項は

 

「補助参加人の訴訟行為は、被参加人の訴訟行為と抵触するときは、その効力を有しない。」

 

と、規定しています。

 

 

4について、同法42条は

 

「訴訟の結果について利害関係を有する第三者は、当事者の一方を補助するため、その訴訟に参加することができる。」

 

と、規定しています。

 

最決平成13年1月30日は

 

「3 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次
のとおりである。
 (1)民訴法42条所定の補助参加が認められるのは,専ら訴訟の結果につき法
律上の利害関係を有する場合に限られ,単に事実上の利害関係を有するにとどまる
場合は補助参加は許されない(最高裁昭和38年(オ)第722号同39年1月2
3日第一小法廷判決・裁判集民事71号271頁参照)。そして,法律上の利害関
係を有する場合とは,当該訴訟の判決が参加人の私法上又は公法上の法的地位又は
法的利益に影響を及ぼすおそれがある場合をいうものと解される。
 (2)【要旨】取締役会の意思決定が違法であるとして取締役に対し提起された
株主代表訴訟において,株式会社は,特段の事情がない限り,取締役を補助するた
め訴訟に参加することが許されると解するのが相当である。けだし,取締役の個人
的な権限逸脱行為ではなく,取締役会の意思決定の違法を原因とする,株式会社の
取締役に対する損害賠償請求が認められれば,その取締役会の意思決定を前提とし
て形成された株式会社の私法上又は公法上の法的地位又は法的利益に影響を及ぼす
おそれがあるというべきであり,株式会社は,取締役の敗訴を防ぐことに法律上の
利害関係を有するということができるからである。そして,株式会社が株主代表訴
訟につき中立的立場を採るか補助参加をするかはそれ自体が取締役の責任にかかわる経営判断の一つであることからすると,補助参加を認めたからといって,株主の
利益を害するような補助参加がされ,公正妥当な訴訟運営が損なわれるとまではい
えず,それによる著しい訴訟の遅延や複雑化を招くおそれはなく,また,会社側か
らの訴訟資料,証拠資料の提出が期待され,その結果として審理の充実が図られる
利点も認められる。
 (3)これを本件についてみると,前記のとおり,本件は,抗告人の第48期及
び第49期の各決算において取締役らが忠実義務に違反して粉飾決算を指示し又は
粉飾の存在を見逃したことを原因とする抗告人の取締役らに対する損害賠償請求権
を訴訟物とするものであるところ,決算に関する計算書類は取締役会の承認を受け
る必要があるから(商法281条),本件請求は,取締役会の意思決定が違法であ
るとして提起された株主代表訴訟である。そして,上記損害賠償請求権が認められ
て取締役らが敗訴した場合には,抗告人の第48期以降の各期の計算関係に影響を
及ぼし,現在又は将来の取引関係にも影響を及ぼすおそれがあることが推認される
のであって,抗告人の補助参加を否定すべき特段の事情はうかがわれない。
 4 以上によれば,原審の前記判断には,法令の解釈適用を誤った違法があり,
この違法は裁判に影響を及ぼすことが明らかである。論旨は理由があり,原決定は
破棄を免れない。そして,前記説示によれば,抗告人の補助参加を許可すべきであ
る。」

 

最判平成9年2月25日は

 

「  賃貸人の承諾のある転貸借においては、転借人が目的物の使用収益につき賃貸
人に対抗し得る権原(転借権)を有することが重要であり、転貸人が、自らの債務
不履行により賃貸借契約を解除され、転借人が転借権を賃貸人に対抗し得ない事態
を招くことは、転借人に対して目的物を使用収益させる債務の履行を怠るものにほ
かならない。そして、賃貸借契約が転貸人の債務不履行を理由とする解除により終
了した場合において、賃貸人が転借人に対して直接目的物の返還を請求したときは、
転借人は賃貸人に対し、目的物の返還義務を負うとともに、遅くとも右返還請求を
受けた時点から返還義務を履行するまでの間の目的物の使用収益について、不法行
為による損害賠償義務又は不当利得返還義務を免れないこととなる。他方、賃貸人
が転借人に直接目的物の返還を請求するに至った以上、転貸人が賃貸人との間で再
び賃貸借契約を締結するなどして、転借人が賃貸人に転借権を対抗し得る状態を回
復することは、もはや期待し得ないものというほかはなく、転貸人の転借人に対する債務は、社会通念及び取引観念に照らして履行不能というべきである。したがっ
て、賃貸借契約が転貸人の債務不履行を理由とする解除により終了した場合、賃貸
人の承諾のある転貸借は、原則として、賃貸人が転借人に対して目的物の返還を請
求した時に、転貸人の転借人に対する債務の履行不能により終了すると解するのが
相当である。
 これを本件についてみると、前記事実関係によれば、訴外会社と被上告人との間
の賃貸借契約は昭和六二年一月三一日、被上告人の債務不履行を理由とする解除に
より終了し、訴外会社は同年二月二五日、訴訟を提起して上告人らに対して本件建
物の明渡しを請求したというのであるから、被上告人と上告人らとの間の転貸借は、
昭和六三年一二月一日の時点では、既に被上告人の債務の履行不能により終了して
いたことが明らかであり、同日以降の転借料の支払を求める被上告人の主位的請求
は、上告人らの相殺の抗弁につき判断するまでもなく、失当というべきである。右
と異なる原審の判断には、賃貸借契約が転貸人の債務不履行を理由とする解除によ
り終了した場合の転貸借の帰趨につき法律の解釈適用を誤った違法があり、右違法
は原判決の結論に影響を及ぼすことが明らかである。この点をいう論旨は理由があ
り、原判決中、上告人ら敗訴の部分は破棄を免れず、右部分につき第一審判決を取
り消して、被上告人の主位的請求を棄却すべきである。」

 

と、判示しています。

 

民法415条は

 

「債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。債務者の責めに帰すべき事由によって履行をすることができなくなったときも、同様とする。」

 

と、規定しています。

 

 

したがって、上記記述は、2が誤りで、4が正しいです。