乙:甲先生と、ブリュージュに行きたいです。
今日の問題は、2問あります。
イ. 形式的意味の憲法の効力は他の法規範よりも優越する。今日多くの国では,この優越性を現実に保障するため裁判所による違憲審査制を採用しているが,法令の合憲性について議会が最終的に判断するという制度が憲法の形式的優位性と矛盾するとはいえない。
エ. 形式的意味の憲法にはいかなる内容を盛り込むことも可能であるが,歴史的には立憲主義の成文化を求める動きが憲法典の普及を促進した。日本国憲法はこの経緯を踏まえ,憲法の形式的優位性の実質的根拠を示すため,第10章「最高法規」中に公務員の憲法尊重擁護義務を定める第99条を置いている。
甲先生、よろしくお願いします!
こ、甲先生!?
甲:
乙:イについて
「形式的効力の点で憲法が国法秩序において最上位にあることを「形式的最高法規性」と呼ぶならば、それは硬性憲法であることから派生するものであって、とくに憲法の本質的な特性として挙げるには及ばないということになろう。」
芦部信喜『憲法』第四版 12頁
エについて、憲法97条は
「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。」
同法99条は
「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」
と、規定しています。
「九七条は、(中略)憲法の形式的最高法規性(九八条)の実質的な根拠を明らかにした規定である。」
芦部信喜『憲法』第四版 12頁
したがって、上記記述は、イが正しく、エが誤りです。