刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 2444

乙:今日の問題は、令和4年司法試験民法第11問イです。

 

留置権に関する(中略)
イ.Aは、その所有する動産甲をBに売り、Bは甲をCに転売したが、Aが甲の占有を続けている。この場合において、Aは、Cからの引渡請求に対し、Bから代金が支払われるまで、甲について留置権を行使することができる。

 

甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

 

甲:But I'd like To buy more time

 

出典:https://youtu.be/MznTEX1YTS4

 

アルクによると、buy timeは、時間を稼ぐ、などの意味です。

 

乙:最判昭和47年11月16日は

 

「原審は、右確定事実のもとでは、売主である上告人は売買の目的物の残代金債権を有しないというが、右確定事実によれば、残代金三四五万円については、その支払に代えて提供土地建物を上告人に譲渡する旨の代物弁済の予約がなされたものと解するのが相当であり、したがつて、その予約が完結されて提供土地建物の所有権が上告人に移転し、その対抗要件が具備されるまで、原則として、残代金債権は消滅しないで残存するものと解すべきところ(最高裁昭和三九年(オ)第六六五号同四〇年四月三〇日第二小法廷判決・民集一九巻三号七六八頁参照)、本件においては、提供土地建物の所有権はいまだ上告人に譲渡されていない(その特定すらされていないことがうかがわれる。)のであるから、上告人はDに対して残代金債権を有するものといわなければならない。そして、この残代金債権は本件土地建物の明渡請求権と同一の売買契約によつて生じた債権であるから、民法二九五条の規定により、上告人はDに対し、残代金の弁済を受けるまで、本件土地建物につき留置権を行使してその明渡を拒絶することができたものといわなければならない。ところで、留置権が成立したのち債務者からその目的物を譲り受けた者に対しても、債権者がその留置権を主張しうることは、留置権が物権であることに照らして明らかであるから(最高裁昭和三四年(オ)第一二二七号同三八年二月一九日第三小法廷判決。裁判集民事六四号四七三頁参照)、本件においても、上告人は、Dから本件土地建物を譲り受けた被上告人に対して、右留置権を行使することをうるのである。もつとも、被上告人は、本件土地建物の所有権を取得したにとどまり、前記残代金債務の支払義務を負つたわけではないが、このことは上告人の右留置権行使の障害となるものではない。また、右残代金三四五万円の債権は、本件土地建物全部について生じた債権であるから、同法二九六条の規定により、上告人は右残代金三四五万円の支払を受けるまで本件土地建物全部につき留置権を行使することができ、したがつて、被上告人の本訴請求は本件建物の明渡を請求するにとどまるものではあるが、上告人は被上告人に対し、残代金三四五万円の支払があるまで、本件建物につき留置権を行使することができるのである。
ところで、物の引渡を求める訴訟において、留置権の抗弁が理由のあるときは、引渡請求を棄却することなく、その物に関して生じた債権の弁済と引換えに物の引渡を命ずべきであるが(最高裁昭和三一年(オ)第九六六号同三三年三月一三日第一小法廷判決・民集一二巻三号五二四頁、同昭和三〇年(オ)第九九三号同三三年六月六日第二小法廷判決・民集一二巻九号一三八四頁)、前述のように、被上告人は上告人に対して残代金債務の弁済義務を負つているわけではないから、Dから残代金の支払を受けるのと引換えに本件建物の明渡を命ずべきものといわなければならない。叙上の理由によれば、原判決は破棄を免れないが、一審判決も被上告人からの残代金の支払と引換えに明渡を命じているので、右の限度で、これを変更すべきである。(なお、被上告人がDに代位して残代金を弁済した場合においても、本判決に基づく明渡の執行をなしうることはいうまでもない。)」

 

と、判示しています。

 

 

したがって、上記記述は、正しいです。