刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 520

乙:そういえば、カラオケ店がオープンしていました。

今日の問題は

業務妨害罪における業務は,職業その他社会生活上の地位に基づいて継続して行う事務又は事業であり,経済的に収入を得る目的のものであることを要しないから,運転免許を取得した者が娯楽のために行う自動車の運転も本罪の業務に含まれる。

甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

甲:べんきょうしてください!

乙:刑法233条は

「虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」

同法234条は

「威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。」

と、規定しています。

大判大正10年10月24日は

「刑法第二百三十三條ノ業務妨害罪ニ所謂業務トハ經濟的事業ヲ指稱シ精神的事務ノ如キハ縱令之レヲ繼續的ニ行フモ業務ト云フコト能ハス之レ我舊刑法第八章ニ於テ商業及農工ノ業ヲ妨害スル罪ト題シ經濟的事業ニ限ラレタル立法旨趣ニ照シ現行刑法ノ意義亦之レヲ特ニ廣義ニ解スヘキ理由ナシ新聞社創立事務ノ如キハ經濟的事業ト云フコト能ハス從テ之レヲ業務妨害罪ノ被害客體ナリト認定セル原判決ハ擬律錯誤ノ違法アリト信スト云フニ在レトモ○舊刑法ニハ商業及農工業ヲ妨害スル罪ト題シ商業及農工業ニ對スル妨害ヲ處罰シタルモ其他ノ業務(公務ヲ除ク)ニ對スル妨害ニ付テハ何等規定スル所ナカリシヲ以テ其範圍狹少ニ失スルモノトシ現行刑法ニ於テハ信用及業務ニ關スル罪ト題シ總テ人ノ信用ヲ毀損シ又其業務ヲ妨害スル行爲ヲ處罰スルコトニ修正シタルモノニシテ刑法第二百三十三條ニ所謂業務ハ公務ヲ除ク外精神的ナルト經濟的ナルトヲ問ハス汎ク職業其他繼續シテ從事スルコトヲ要スヘキ事務又ハ事業ヲ總稱スルモノナルコト立法ノ旨趣ニ徴シ疑ヲ容レス判示鳥居赫雄ノ新聞紙發行ヲ目的トスル資本金二百萬圓ノ株式會社ノ創立ハ一ノ事業ニシテ之ヲ遂行スルニハ繼續シテ從事スルコトヲ要スヘキ性質ノモノナルヲ以テ經濟的ナルト否トヲ論セス同條規定ノ業務ニ該當スルコト論ヲ竢タス」

と、判示しています。

「職業としての経済活動をその典型とする社会生活上の活動であることが必要であり,個人的な活動(趣味としての散策,学生の学習活動など)や家庭生活上の活動(料理,清掃,洗濯など)は除外される。それゆえ,娯楽として行う行為は業務から除外されるから,たとえば,自家用車をレジャーで運転することは,業務妨害罪にいう業務にはあたらないのである。」

山口厚『刑法各論』第2版 156頁

したがって、上記記述は、正しいです。