刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 2266

乙:I need you baby, to keep me alive

 

出典:https://genius.com/All-we-are-keep-me-alive-lyrics

 

感想:アルクによると、keep ~ aliveは、~を生かしておく、などの意味です。

 

 

今日の問題は、令和4年司法試験民法第22問イです。

 

相殺に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいもの(中略)
イ.弁済期が到来していない債権の債務者は、その債権を受働債権とする相殺をすることができない。

 

甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

 

甲:とことんのとう。。

 

乙:民法505条1項は

 

「二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。」

 

同法136条2項は

 

「期限の利益は、放棄することができる。ただし、これによって相手方の利益を害することはできない。」

 

と、規定しています。

 

 

最判平成25年2月28日は

 

「民法505条1項は,相殺適状につき,「双方の債務が弁済期にあるとき」と規
定しているのであるから,その文理に照らせば,自働債権のみならず受働債権につ
いても,弁済期が現実に到来していることが相殺の要件とされていると解される。
また,受働債権の債務者がいつでも期限の利益を放棄することができることを理由
に両債権が相殺適状にあると解することは,上記債務者が既に享受した期限の利益
を自ら遡及的に消滅させることとなって,相当でない。したがって,既に弁済期に
ある自働債権と弁済期の定めのある受働債権とが相殺適状にあるというためには,
受働債権につき,期限の利益を放棄することができるというだけではなく,期限の
利益の放棄又は喪失等により,その弁済期が現実に到来していることを要するとい
うべきである。
 5 これを本件についてみると,本件貸付金残債権については,被上告人が平成
22年7月1日の返済期日における支払を遅滞したため,本件特約に基づき,同日
の経過をもって,期限の利益を喪失し,その全額の弁済期が到来したことになり,
この時点で本件過払金返還請求権と本件貸付金残債権とが相殺適状になったといえ
る。そして,当事者の相殺に対する期待を保護するという民法508条の趣旨に照
らせば,同条が適用されるためには,消滅時効が援用された自働債権はその消滅時
効期間が経過する以前に受働債権と相殺適状にあったことを要すると解される。前
記事実関係によれば,消滅時効が援用された本件過払金返還請求権については,上
記の相殺適状時において既にその消滅時効期間が経過していたから,本件過払金返
還請求権と本件貸付金残債権との相殺に同条は適用されず,被上告人がした相殺は
その効力を有しない。そうすると,本件根抵当権の被担保債権である上記2(2)の
貸付金債権は,まだ残存していることになる。」

 

と、判示しています。

 

 

したがって、上記記述は、誤りです。